コンピュートヒストリー
ホーム（９０年代）

１９９０年２月

１９６９年１０月に開始された「ARPANET」の運用が終了する。

１９９０年２月

アドビシステムズ（現：アドビ）「Photoshop 1.0」をリリース。

１９９０年５月

欧州原子核研究機構（CERN）のバーナーズ・リーのグループにより、ハイパーテキストの機能を持つHTMLが設計される。

１９９０年７月

IBM、最初の商用RISCマイクロプロセッサ（CPU）である「POWER1」（Powerアーキテクチャ）を開発。

※PowerアーキテクチャによるCPUとしては、1991 IBM、アップル、モトローラの3社共同開発の「PowerPC」や、2006 ソニー、IBM、 東芝の3社共同開発の「Cell Broadband Engine」などがある。

１９９０年８月

AMD初のx86互換プロセッサ「Am386」を開発（1991に発売）

※ インテルは「80386」以降、セカンドソースを認めなくなったため多くのメーカーが「x86プロセッサ」製造から撤退したが、AMDは独自バイナリ互換プロセッサを開発。そこから開発競争は過熱化することになりクロック1GHz到達や64ビット拡張では先行（AMD64にIntel64として追随）などもあり現在に至る。

※ 近年は「Armプロセッサ」が存在感を強力に増してきたことにより共同歩調をとる場面もある。

１９９０年１０月

日本IBM、「IBM PC/AT互換機」上で稼働し、ソフトウェアのみで日本語表示を可能にしたOS「IBM DOS J4.0/V」をリリース。

※ 通称「DOS/V」。それまであった国内各メーカー（主にNEC、富士通、シャープ）独自仕様のパソコンからPC/AT互換機に代わってゆくきっかけとなる。またパソコンそのものが一般普及するきっかけともなった。

１９９０年１２月

バーナーズ・リーのグループにより、欧州原子核研究機構内部のネットワークにウェブページがアップされる。「WorldWideWeb」と名付けられたブラウザとエディタが用いられた。

１９９１年２月

グイド・ヴァン・ロッサム、インタープリタ型汎用プログラミング言語「Python」の最初のバージョンを公開。

１９９１年８月

WWWの誕生。世界初のWorld Wide Web（info.cern.ch）によるサイトが開設される。

※ WWW（ウェブ）とはインターネット上にハイパーテキストを用いて公開されてゆくドキュメント。それらをリンクさせるというもの。その実装です。

１９９１年８月

リーナス・トーバルズにより「Linuxカーネル」が発表される。

１９９１年１０月

バーナーズ・リーにより「HTMLタグ」という名のドキュメントが公開される。

１９９１年１０月

ユニコードコンソーシアム、世界中のあらゆる文字や記号を単一のルールで表現するための国際標準規格とする「Unicode 1.0,Vol.1」を出版。

※ 統合漢字表が完成しておらず漢字部分が無いものだったが（翌1992年、漢字部分だけの「Unicode 1.0,Vol.2」が出版された）

※ しかし後にパソコンの普及を大きく進める「Windows 95」とその後継OSも日本語環境の文字コードは「MS-DOS」時代を経て、IBMおよびNECが独自に拡張した文字を互換性のためにマイクロソフトが独自にまとめた変則形のShift_JISであった（Windows-31JまたはMS932とも呼ばれる統合された最終版のCP932）さらに20年近くにわたりそのままな状況（蓄積）は続き…問題の火種を現在も残すことになる。

１９９１年１２月

アメリカで高性能コンピューティング法（HPC）が成立する。インターネットにおける商業的なトラフィックが公式に許可される。

１９９２年４月

マイクロソフト「Windows 3.1」をリリース。（日本語版は1993/05にリリース）

１９９２年９月

森田洋平、茨城県つくば市より日本最初のホームページを発信する。

１９９２年９月

ジョイント・フォトグラフィック・エキスパーツ・グループ（JPEG）、静止画像のデジタルデータ圧縮技術「JPEG」の最初のフォーマットをリリース。

１９９２年１０月

「コンパックショック」コンパック（2002 現：HP Ink.に吸収合併）が衝撃的低価格PC（いわゆるDOS/Vと呼ばれるIBM PC/AT互換機）を日本で販売開始。

※ コンパックブランド（プレサリオなど）は2013年まで存続した。

１９９２年１１月？

秋葉原路地裏のパソコンショップが「DOS/Vパラダイス」と店舗名を改称。（現：ドスパラ）

１９９２年１１月

マイクロソフト、GUIフロントエンド開発ツールやデータベースエンジン、レポート出力機能が組み合わされたオールインワンのリレーショナルデータベース管理システム「Access 1.0」をリリース。

１９９２年１１月

JENS SpinNet、日本初の商用インターネットサービス(UUCP接続)を開始。

１９９２年１２月

インターネットプロパイダ「IIJ（インターネットイニシアティブ）」が設立。

１９９３年１月

ウェブブラウザ「Mosaic」が公開される。

１９９３年３月

インテル、初代「Pentium」プロセッサを発表。

※ インテルのプロセッサはCISCと呼ばれるものであるが、内部的に当時脚光を浴びはじめたRISCの技術を取り入れはじめた。そしてそれをインテルは「CRISC」などと表現した。（過去の技術論争）

１９９３年４月

半導体メーカー「NVIDIA Corporation」設立。

１９９３年４月

アドビ、主流となる電子文書フォーマットの最初のバージョン「PDF 1.0」をリリース。（2008 オープン標準化）

１９９３年７月

マイクロソフト、現行Windowsの源流となる「Windows NT 3.1」を発表。

※ 「OS/2」を起源とし、元々はサーバー向けに開発されたOSだった。「NT」とはニューテクノロジーの略とマイクロソフトは説明したが「Windows 2000」の起動画面において「NT Technology」と表記されている。気がつけば一般的に知られるOSとしては唯一の非UNIX系となっていた。

１９９３年７月

「HTML 1.0」が公開される。

１９９３年８月

アップルコンピューター（現：アップル）が個人用携帯情報端末「Newton」を米国で発売。（1994/10 日本で公式販売開始）

１９９３年９月

セルシス、アニメ制作ツール「RETAS! PRO」初版をリリース。日本の多くのアニメ制作会社に導入される。（2015 CLIP STUDIO PAINTを後継として販売終了）

※ 標準価格は1,600万円だった。

１９９３年１０月

シャープ、個人用携帯端末「PI-3000（Zaurus 1号機）」を発売。

１９９３年１１月

郵政省（現：総務省）インターネットの商用利用を許可。

１９９３年１１月

IIJがインターネット接続サービスを開始。

１９９４年１月

「Yahoo!」設立。

１９９４年２月

NIFTY-Serverがインターネット接続サービスを開始。

１９９４年４月

レッドハット、Linuxディストリビューション「Red Hat Linux 1.0」をリリース。（2003/11 開発終了）

※ その後は「Red Hat Enterprise Linux（RHEL）」への開発に方針転換して主に企業向けに特化した。日本のスーパーコンピュータ「富岳」にも採用されている。

１９９４年４月

WWWを対象とした、初の全文検索エンジン「WebCrawler」が稼働開始（2025現在はメタ検索エンジン）

１９９４年４月

アドビ、「Photoshop 3.0」をリリース。レイヤーを搭載する。

１９９４年６月

ASAHIネットによるインターネット接続サービス開始。

１９９４年６月

富士通、「InfoWeb（現：@nifty）」を開始。

１９９４年７月

「amazon.com」が創業。

１９９４年８月

首相官邸のWebサイトが開設される。

１９９４年９月

インプレス「iNTERNET magazine」創刊。（2006/06 休刊）

１９９４年１０月

米国ホワイトハウスのWebサイトが開設される。

１９９４年１０月

ウェブサイトの共通基準をつくることを目指す「W3C」が設立。

１９９４年１０月

「窓の杜」サービス開始。

１９９４年１１月

セガ・エンタープライゼス（現：セガ）、家庭用ゲーム機「セガサターン」を発売。

１９９４年１２月

SCE（現：SIE）、家庭用ゲーム機「PlayStation」を発売。

１９９４年１２月

ウェブブラウザ「Netscape Navigator」がリリース。（2008 開発終了）

※ 開発基盤は「Mozilla Firefox」へと引き継がれた。

１９９５年３月

カシオ計算機、デジタルカメラ「QV-10」を発売。

※ 最初のデジタルカメラではないが、液晶モニターを備えるなど今日のデジカメの最初の原型であり「Windows 95」ブームもあり、一般に認知・普及した最初のデジタルカメラでもあった。

１９９５年５月

サンマイクロシステムズ（2010/01 オラクルに吸収合併）、汎用プログラミング言語「Java」を発表。

１９９５年５月

オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）である「MySQL」の最初のバージョンがリリースされる。

１９９５年６月

ラスマス・ラードフ、主にサーバーサイドのスクリプト言語として使用されることになる「PHP」を開発。

１９９５年７月

PHSサービス開始。

１９９５年８月

NTT、 一般のアナログ電話で、深夜早朝の特定電話番号への通話料金を定額にする「テレホーダイ」を開始。

１９９５年８月

朝日新聞社、ニュースサイト「asahi.com」サービスを開始。

１９９５年８月

CNN「cnn.com」開設。

１９９５年９月

AuctionWeb（現：eBay）が設立される。

１９９５年９月

NVIDIA、最初のGPU「NV1」をリリース。

１９９５年１１月

「Windows 95」日本語版が発売。

※ 1996年11月以降に出荷されたWindowsパソコンには「Internet Explorer 1」が同梱された。

１９９５年１１月

最初のフルCG映画「トイ・ストーリー」（原題：Toy Story）が公開される。（1996 日本公開）

１９９５年１２月

ソニー、インターネット接続サービス「So-net」を開始。

１９９５年１２月

Webサーバーソフトウェア「Apache HTTP Server」の最初のバージョン（1.0）がリリースされる。

１９９５年１２月

Internet Protocol Version 6 (IPv6)の最初の仕様が決定される。

１９９５年１２月

「Netscape Navigator 2.0」にウェブブラウザ上で実行されるスクリプト言語「JavaScript」が実装される。

※ 後に「Node.js」の登場（2009）などによりサーバーサイドでの利用も一般化してゆく。また汎用プログラミング言語「Java」とは全く関係ない。

１９９５年１２月

ソフト流通サイト「THE COMMON for Software」（現：Vector）が開設。

１９９６年１月

ベッコアメ・インターネットとそのユーザー、猥褻図画公然陳列容疑により国内初となるISPへの警察の強制捜査を受ける。

１９９６年１月

米Yahoo!がソフトバンクと合弁で「ヤフー株式会社」を設立。

１９９６年４月

ディレクトリ型キーワード検索サービス「Yahoo! JAPAN」開始。

１９９６年７月

NEC、従来のサービス「PC-VAN」「mesh」「The Cyber Plaza」を統合して「BIGLOBE」を開始。

１９９６年７月

無料Webメールサービス「HoTMaiL」開始。（1997にマイクロソフトが買収。現：Outlook.com）

※ つづりは「HTML」を大文字としていたがマイクロソフト買収後は「Hotmail」となった。

１９９６年８月

ノキア、インターネットに接続できる最初の携帯電話「Nokia 9000 Communicator」を発売。

※ 当時、その呼称はなかったが、PDA（個人用携帯情報端末）機能を備え最初のスマートフォンではないかともいわれる。

１９９６年９月

リサーチ・イン・モーション（現：ブラックベリー）、個人用情報携帯端末「Inter@ctive Pager（インタラクティブページャー）」（BlackBerry 1号機）を発売。

１９９６年１０月

W3C、可逆圧縮の画像ファイルフォーマット「PNG Version 1.0」の仕様を公開・勧告。

※ 2025年、アニメーテッドPNG（APNG）が正式に仕様に含められた。

１９９６年１１月

最初のDVDプレーヤーが松下電器産業（現：パナソニック）から「DVD-A300」、東芝から「SD-3000」、２機種が発売される。

１９９６年１１月

これ以降に出荷された「Windows 95」プリインストールパソコンに「Internet Explorer 1」が同梱される。

１９９６年１２月

日本IBM、オールインワンのウェブサイト制作アプリケーション「ホームページ・ビルダー」をリリース。（2010 ジャストシステムに譲渡）

※ これが「ホームページ・ビルダー」の最初のバージョンではないかとの疑いがあるが、1994年に最初のバージョンがリリースされたと記載されていることが多い。

１９９６年１２月

NTT、ISP（インターネットプロバイダ）事業に参入しOCNサービスを開始。（実サービスは1997/04より）

１９９６年１２月

ジョルダン、インターネット上に「乗換案内全国版」公開。

１９９６年１２月

マクロメディア（2005 アドビが買収）、「Macromedia Flash 1.0」をリリース（2020 サポート終了）

１９９７年２月

ロボット型キーワード検索サービス「Infoseek JAPAN」開始。

１９９７年３月

パーム、個人用携帯情報端末「PalmPilot」を発売。

１９９７年３月

NTT、ロボット型キーワード検索サービス「goo」開始。（2025/11 サービス終了）

１９９７年４月

日本テレコム（現：ソフトバンクに吸収）が「ODN」サービスを開始。

１９９７年４月

大阪府警、画像処理ソフト「FLMASK」の作者を逮捕。（FLMASK事件）

１９９７年５月

AOL、「AOL Instant Messenger（AIM）」をリリース。サービスを開始。（1998/12 日本語版リリース 2017/12 サービス終了）

１９９７年５月

インターネット放送のための通信インフラ提供事業者「Jストリーム」が設立される。

１９９７年５月

IBMのスーパーコンピュータ「Deep Blue」がチェスの世界チャンピオンを破る。

１９９７年７月

DDI（現：KDDI）が「DION」サービス（現：au one net）を開始。

１９９７年６月

Yahoo! JAPAN、無料ウェブサイトサービス「ジオシティーズ」日本語版を開始。（2019/03 サービス終了）

１９９７年９月

「Google検索」開始。

１９９７年９月

オンラインRPG「Ultima Online」が発売、サービス開始。

１９９７年１０月

パソコン通信の「日経MIX」がサービスを終了。

１９９７年１０月

米司法省、マイクロソフトを反トラスト法違反で提訴。

１９９７年１２月

エヌ・ティ・ティ移動通信網（現：NTTドコモ）、電子メールの送受信に特化した携帯端末「ポケットボード」を発売。

１９９７年１２月

W3C「HTML4.0」を勧告。

１９９７年１２月

ロボット型キーワード検索サービス「Excite Japan」開始。

１９９８年２月

韓国のセハン情報システムズ、MP3に対応した世界初の携帯型デジタルオーディオプレーヤー「mpman MP-F10」を発売。（日本では5月より販売開始）

１９９８年２月

W3C、自由にタグを定義できる拡張可能なマークアップ言語「XML 1.0」を勧告。

１９９８年４月

ネットスケープ、次期ブラウザ「Mozilla（現：Mozilla Firefox）」のソースコードを公開。

１９９８年５月

W3C「CSS2」を勧告。

１９９８年７月

KDD法が廃止される。KDD（国際電信電話株式会社）は完全民営化。

１９９８年８月

アップル、一体型パソコン「iMac」発売、「i」を冠する最初の製品となる。

１９９８年１１月

セガ、OSに「Windows CE」を搭載したモデム標準搭載のゲーム機「ドリームキャスト」を発売。

１９９８年１２月

メールマガジン配信サービス「クリックインカム」スタート。

１９９８年１２月

Yahoo! JAPANが「駅すぱあと」と提携。「Yahoo!路線情報」を開始。

１９９９年１月

Yahoo! JAPANがメールサービスを開始。

１９９９年２月

NTTドコモ「iモード」サービスを開始。（2026/03 サービス終了予定）

１９９９年２月

インテル「Pentium Ⅲ」プロセッサーを発表。

１９９９年２月

ヴイエムウェア（2023 ブロードコムが買収）、初のx86アーキテクチャ仮想化製品「VMware Virtual Platform」をリリース。

１９９９年５月

「２ちゃんねる（現：５ちゃんねる）」開設。

１９９９年５月

ファイル共有サービスを提供する「Napster」が設立される。

１９９９年５月

ポケベルの東京テレメッセージが会社更生法申請。

１９９９年６月

ソニー、ペットロボット「AIBO ERS-110」発売。（2015/09 未来技術遺産に指定）

１９９９年６月

「Alibaba.com」が創業。

１９９９年７月

ADSLを個人向けに提供する「東京めたりっく通信（現：ソフトバンクに吸収）」設立。

１９９９年７月

「Bluetooth 1.0」策定。

１９９９年７月

ソーテック（2008 オンキョーに吸収合併）、「iMac」に酷似したWindowsパソコン「e-one 433」を発売。人気を博すが販売差し止めの仮処分を受ける。

※ ソーテックは当時、格安パソコンでPC界隈を一世風靡する。アップルは不正競争防止法違反を理由にソーテックに対して訴訟を起こした。ソーテックは販売差し止め仮処分を受け半透明の青と白を使わない銀色の「e-one 500」に切り替えた。2000年にアップルは和解に応じた。

１９９９年９月

映画「マトリックス」（原題：The Matrix）が公開される。

１９９９年９月

長野県で国内初の商用ADSLインターネット接続サービスが開始される。

１９９９年９月

電子書籍の標準フォーマット「Open eBook（OEB）」が策定される。

※ 2007/09「EPUB 2.0」が後継としてリリースされた。

１９９９年１０月

ニフティとinfoWebが統合「@nifty」にリニューアル。

１９９９年１１月

ポータルサイト「ライブドア」がサービス開始。

１９９９年１１月

「イー・アクセス」設立（現：ソフトバンクに吸収）。

１９９９年１２月

DDI、KDD、IDOの3社が合併に正式合意。