コンピュートヒストリー
1980年代
20世紀編 1980年代
タイムライン
1980年
ローランド、打ち込みを可能にしたドラムマシン「TR-808」を発売。
1980年
LAN規格「イーサネット 1.0」が公開される。
1981年
マイクロソフト、シアトル・コンピュータ・プロダクツの「86-DOS 1.10」を75,000ドルで購入し、名前を「MS-DOS」に変更する。
※ 後にシアトル・コンピュータ・プロダクツはIBMが顧客であることを明かさなかったのは搾取であるとしてマイクロソフトに対して訴訟を起こす。1986年にマイクロソフトはさらに1000,000ドルを支払い和解した。
1981年
マイクロソフト「MS-DOS 1.10/1.14」を「PC DOS 1.0」としてIBMに提供。
1981年
舛岡富士雄、NOR型フラッシュメモリを発明。
※ 1986にはNAND型フラッシュメモリも発明。
1982年
「IBM産業スパイ事件」日立製作所と三菱電機の社員(6名)を逮捕。(1983~1988 和解)
1982年
インテル、16ビットCPU「80286」を発表。
1982年
映画「ブレードランナー」(原題:Blade Runner)が公開される。
1982年
電波新聞社、「マイコンBASICマガジン」を創刊。(1982年7月号~2003年5月号で休刊)
1982年
映画「トロン」(原題:Tron)が公開される。
1982年
NEC、16ビットパソコン「PC-9801」を発売。
※ 日本で最も普及した16ビットパソコンであり最盛期には、ほぼ独占といえる市場の90%を占有するに至った。「国民機」という語も使われたが、やがて台頭する「DOS/V」の勢力に対抗するすべもなくなってゆく…2004年3月の「PC-9821Ra43」がシリーズ最後の出荷となった。(その後も「PC-98…」と冠する製品は少しあるが「PC/AT互換機」である。)
1982年
ソニー、CD(コンパクトディスク)再生1号機「CDP-101」を発売。
1982年
シリコングラフィックス(SGI)設立。(2016 ヒューレット・パッカード・エンタープライズが買収)
1982年
オートデスク、「AutoCAD 1.0」をリリース。
1983年
「ARPANET」から軍事部門を分離。
1983年
米タイム誌の表紙を「パーソナルコンピュータ」が飾る。
1983年
ARPANETで「TCP/IP」が標準プロトコルとして採用される。「IPv4」アドレスが使われる。
1983年
ヤマハ、FM音源を採用した世界初のフルデジタルシンセサイザー「DX7」を発売。
1983年
ホスト数の拡大により、hostsファイルが限界を迎える。「DNS(ドメインネームシステム)」が誕生。
1983年
電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための共通規格の最初の実装「MIDI 1.0」が公開される。(1981 策定)
1983年
8ビットホビーパソコン「MSX」が発売される。

8ビットパソコンの共通規格
マイクロソフトとアスキーによって提唱される。パナソニック、ソニー、三菱電機、三洋電機、カシオ計算機、東芝、日立、キャノン、ヤマハ、ビクター、パイオニア、ゼネラルなどが参入した。当時の感覚としてはどのメーカーであっても互換性があるのは画期的だった。家庭用テレビに接続できゲーム専用機の側面も強いがヤマハのMSXのようにFM音源(SFG-01)やMIDI端子など独自に拡張されたものもある。リリースされたソフトは4000本以上ともいわれるが定かではない、
●付録ページ
Online MSX Emulator
1983年
NEC、日本初のマウスによるGUIをサポートしたパーソナルコンピュータ「PC-100」を発売。
1983年
ジャストシステム、かな漢字変換システム「KTIS(現:ATOK)」を発売。
1983年
エイコーン・コンピューターズ、「ARM(Acorn RISC Machine)」アーキテクチャの開発を開始する。
1984年
アドビシステムズ(現:アドビ)、ページ記述言語「PostScript」を発表。アップル・コンピュータのレーザープリンタに採用される。
1984年
ドメインネームシステム(DNS)の導入。DNSサーバーソフトウェア「BIND」が誕生。
1984年
ウイリアム・ギブスン、SF小説「ニューロマンサー」を発表。(1986 日本語訳出版)
1984年
日本におけるインターネットの起源「JUNET」の運用が開始される。
1984年
パソコン保守会社「PC's Limited」が創業される。(現:デル・テクノロジーズ)
1985年
スティーブ・ジョブズ、コンピュータ企業「NeXT」を創業。
1985年
ワコム、世界初のコードレスデジタルペン付属タブレット「WT-460M」を発売。
1985年
初のコンピュータウイルスが確認される。
1985年
初のドットコムドメイン「symbolics.com」が登録される。
1985年
通信自由化政策により日本電信電話公社が民営化され、日本電信電話会社(NTT)が発足。
1985年
最初のARMプロセッサ「ARM1」が完成する。
1985年
東芝、世界初のラップトップPC「T1100」を欧州で発売。
※ ラップトップPCはノートPCと概ね同じ形態だがノートPCと呼ぶには大きかった。
1985年
スティーブ・ジョブズ、すべての業務を解任。アップルを退社へ…(1985/09 退社)
1985年
アルダス(1994 アドビが買収)、Macintosh用DTPアプリケーション「PageMaker」をリリース。
1985年
ジャストシステム、日本語ワープロソフト「一太郎Ver.1」を発売。
1985年
インテル、最初の32ビットCPU「Intel 80386」を発表。
※ インテルの32ビットCPUのベースとなる「IA-32」の確定。
1985年
TCP/IP上で動作するFTP(ファイル転送プロトコル)の最初の仕様が公開される。
1985年
シルヴィオ・ミカリとシャフィ・ゴールドワッサー、論文「確率的暗号化」を発表する。ゼロ知識証明の概念を発明。
※ この概念による技術は近年(2020年以降)、急速に実用化が進んでいる。
1986年
DEC(1998 コンパックが買収)、初のファイアーウォールを開発。
1986年
デビッド・ラメルハート、誤差逆伝播法(ニューラルネットワークにおける学習手法)の再発見。普及を先導する。
1987年
アドビシステムズ(現:アドビ)、社内でPostScriptの編集やフォントの制作をするために開発されたツールからMacintosh向けPostScript専用ベクターツール「Illustrator 1.0」をリリース。
1987年
シャープ、16ビットホビーパソコン「X68000」を発売。
※ アーケード式ゲームの「グラディウス」をそのまま再現したデモによる高いグラフィックス性能とサウンド性能は当時のパソコン愛好家を十二分に驚かせた。
1987年
セイコーエプソン、最初のPC-98互換パソコン「PC-286」シリーズを発表。
※ NECは使用されているBIOSが著作権を侵害しているとして訴訟を起こした。(セイコーエプソンが和解金を支払うことで和解)
1987年
ニフティ、パソコン通信サービス「ニフティサーブ(NIFTY-Serve)」を開始。(2006 サービス終了)
1987年
IBM、新アーキテクチャの次世代16/32ビットパソコン「Personal System/2」を発表。
※ マウスなどを繋げるPS/2ポートは「Personal System/2」に由来する。新アーキテクチャにより導入された技術(VGAなど)は標準化してゆくが、IBMがパソコン分野における主導権を取り戻すことはなかった。
1987年
IBMとマイクロソフトが共同開発した16/32ビットマルチタスクオペレーティングシステム「OS/2 1.0」がリリースされる。新規格パソコン「Personal System/2」に搭載された。
※ その後「OS/2」は、両社の方針の違いによりIBMは「OS/2 Warp」へ、マイクロソフトは「Windows NT」へと分岐してゆくことになった。
※ 「OS/2」はパーソナルコンピュータ分野でのIBMによる本気を伺えるものであるが2002年に開発終了。
1987年
パソコン通信会社のコンピュサーブ、画像ファイルフォーマット「GIF」を開発。
※ 1990年、透過GIFとアニメーションGIFがサポートされる。
1987年
アップルのビル・アトキンソン、ハイパーテキストを実現したソフトウェア「HyperCard」を開発。
※ Macにバンドルされメディアオーサリングツールとして人気を博した。「Macromedia Director」や「Microsoft PowerPoint」などに影響を与えたと思われる。アップルに復帰したジョブズによって2000年にEOL(End Of Life)となった。
1987年
NTT、世界初のISDNサービス「INSネット64」を開始。(2028 サービス終了予定)
1987年
ラリー・ウォール、テキスト処理やシステム管理を効率的に行う目的でスクリプト言語「Perl」を開発。
1988年
アップル、日本初となるPostScript対応レーザープリンタ「LaserWriter NTX-J」を発売。
1989年
日本でのDNSの運用が開始される。
1989年
世界初の商用ISP「PSINet」が誕生。
1989年
欧州原子核機構の技術者であるバーナーズ・リーにより「HTML」の概念が提案される。
1989年
インテル、32ビットCPU「Intel 80486」を発表。
1989年
日本初の国産ウイルス「Japanese Cristmas」が出現。
1989年
東芝、世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売。













