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コンピュートヒストリー
1980年代

20世紀編 1980年代

タイムライン


1980年から1989年

1980年

ローランド、打ち込みを可能にしたドラムマシン「TR-808」を発売。


1980年から1989年

1980年

LAN規格「イーサネット 1.0」が公開される。


1980年から1989年

1981年

マイクロソフト、シアトル・コンピュータ・プロダクツの「86-DOS 1.10」を75,000ドルで購入し、名前を「MS-DOS」に変更する。

※ 後にシアトル・コンピュータ・プロダクツはIBMが顧客であることを明かさなかったのは搾取であるとしてマイクロソフトに対して訴訟を起こす。1986年にマイクロソフトはさらに1000,000ドルを支払い和解した。


1980年から1989年

1981年

IBM、16ビットパソコン「IBM PC」を発売。

IBM5150「初代 IBM PC」
初代「IBM PC」(IBM5150)

デファクトスタンダードへ

IBMはこのPCをオープン・アーキテクチャ製品としてシステムの回路設計やソフトウェアのソースコードに関する技術情報を公開する。その情報をもとにして他社がソフトウェアや周辺機器の開発を行えるようにしたことでOSであったMS-DOSと共にパーソナルコンピュータの事実上の標準機へとなってゆく。


1980年から1989年

1981年

マイクロソフト「MS-DOS 1.10/1.14」を「PC DOS 1.0」としてIBMに提供。


1980年から1989年

1981年

舛岡富士雄、NOR型フラッシュメモリを発明。

※ 1986にはNAND型フラッシュメモリも発明。


1980年から1989年

1982年

コモドール、8ビットホームコンピュータ「Commodore 64」を発売。

コモドール64
Commodore 64

史上最も売れたパーソナルコンピュータ

※ 2025現在、単一機種としては史上最も販売台数(1700万台)の多いパーソナルコンピュータとなっている。


1980年から1989年

1982年

「IBM産業スパイ事件」日立製作所と三菱電機の社員(6名)を逮捕。(1983~1988 和解)


1980年から1989年

1982年

インテル、16ビットCPU「80286」を発表。


1980年から1989年

1982年

映画「ブレードランナー」(原題:Blade Runner)が公開される。


1980年から1989年

1982年

電波新聞社、「マイコンBASICマガジン」を創刊。(1982年7月号~2003年5月号で休刊)


1980年から1989年

1982年

映画「トロン」(原題:Tron)が公開される。


1980年から1989年

1982年

NEC、16ビットパソコン「PC-9801」を発売。

※ 日本で最も普及した16ビットパソコンであり最盛期には、ほぼ独占といえる市場の90%を占有するに至った。「国民機」という語も使われたが、やがて台頭する「DOS/V」の勢力に対抗するすべもなくなってゆく…2004年3月の「PC-9821Ra43」がシリーズ最後の出荷となった。(その後も「PC-98…」と冠する製品は少しあるが「PC/AT互換機」である。)


1980年から1989年

1982年

ソニー、CD(コンパクトディスク)再生1号機「CDP-101」を発売。


1980年から1989年

1982年

シリコングラフィックス(SGI)設立。(2016 ヒューレット・パッカード・エンタープライズが買収)


1980年から1989年

1982年

オートデスク、「AutoCAD 1.0」をリリース。


1980年から1989年

1983年

「ARPANET」から軍事部門を分離。


1980年から1989年

1983年

米タイム誌の表紙を「パーソナルコンピュータ」が飾る。


1980年から1989年

1983年

ARPANETで「TCP/IP」が標準プロトコルとして採用される。「IPv4」アドレスが使われる。


1980年から1989年

1983年

ヤマハ、FM音源を採用した世界初のフルデジタルシンセサイザー「DX7」を発売。


1980年から1989年

1983年

ホスト数の拡大により、hostsファイルが限界を迎える。「DNS(ドメインネームシステム)」が誕生。


1980年から1989年

1983年

電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための共通規格の最初の実装「MIDI 1.0」が公開される。(1981 策定)


1980年から1989年

1983年

8ビットホビーパソコン「MSX」が発売される。

ヤマハ CX5
元祖ミュージックコンピュータ YAMAHA CX5

8ビットパソコンの共通規格

マイクロソフトとアスキーによって提唱される。パナソニック、ソニー、三菱電機、三洋電機、カシオ計算機、東芝、日立、キャノン、ヤマハ、ビクター、パイオニア、ゼネラルなどが参入した。当時の感覚としてはどのメーカーであっても互換性があるのは画期的だった。家庭用テレビに接続できゲーム専用機の側面も強いがヤマハのMSXのようにFM音源(SFG-01)やMIDI端子など独自に拡張されたものもある。リリースされたソフトは4000本以上ともいわれるが定かではない、

●付録ページ
Online MSX Emulator


1980年から1989年

1983年

任天堂、家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売。

任天堂「ファミリーコンピュータ」
任天堂 ファミリーコンピュータ

ニンテンドー・エンターテインメント・システム

日本での発売から2年後の1985年より、ファミリーコンピュータはNES(ニンテンドー・エンターテインメント・システム)としてモデルチェンジされ海外進出を果たしさらなる成功をおさめる。


1980年から1989年

1983年

NEC、日本初のマウスによるGUIをサポートしたパーソナルコンピュータ「PC-100」を発売。


1980年から1989年

1983年

ジャストシステム、かな漢字変換システム「KTIS(現:ATOK)」を発売。


1980年から1989年

1983年

エイコーン・コンピューターズ、「ARM(Acorn RISC Machine)」アーキテクチャの開発を開始する。


1980年から1989年

1983年

SGI、3DCG描画端末「IRIS 1000」をリリース。

シリコングラフィックス「IRIS 1000」
シリコングラフィックス IRIS 1000

その後は…

SGIの定義によれば初のグラフィックスワークステーションとなる「IRIS 1400/1500」をリリース。さらに市場を獲得して業界をリードしてゆく「IRIS 2000」シリーズへと発展。一時代を築きコンピューターグラフィックス全般に大きな影響と足跡(OpenGLやXFSファイルシステムなど)を残した。


1980年から1989年

1984年

アップルコンピュータ(現:アップル)「Machintosh 128K」を発売。

Machintosh 128K
Machintosh 128K

直観的なインターフェース

アイコンによるファイルの操作。それまでにない美しいフォントを備えるパーソナルコンピュータ。「MacPaint」や「MacWrite」がバンドルされた。後継機によりDTPのデファクトスタンダードを確立してゆく


1980年から1989年

1984年

アドビシステムズ(現:アドビ)、ページ記述言語「PostScript」を発表。アップル・コンピュータのレーザープリンタに採用される。


1980年から1989年

1984年

ドメインネームシステム(DNS)の導入。DNSサーバーソフトウェア「BIND」が誕生。


1980年から1989年

1984年

ウイリアム・ギブスン、SF小説「ニューロマンサー」を発表。(1986 日本語訳出版)


1980年から1989年

1984年

日本におけるインターネットの起源「JUNET」の運用が開始される。


1980年から1989年

1984年

パソコン保守会社「PC's Limited」が創業される。(現:デル・テクノロジーズ)


1980年から1989年

1985年

スティーブ・ジョブズ、コンピュータ企業「NeXT」を創業。


1980年から1989年

1985年

ワコム、世界初のコードレスデジタルペン付属タブレット「WT-460M」を発売。


1980年から1989年

1985年

初のコンピュータウイルスが確認される。


1980年から1989年

1985年

初のドットコムドメイン「symbolics.com」が登録される。


1980年から1989年

1985年

通信自由化政策により日本電信電話公社が民営化され、日本電信電話会社(NTT)が発足。


1980年から1989年

1985年

最初のARMプロセッサ「ARM1」が完成する。


1980年から1989年

1985年

東芝、世界初のラップトップPC「T1100」を欧州で発売。

※ ラップトップPCはノートPCと概ね同じ形態だがノートPCと呼ぶには大きかった。


1980年から1989年

1985年

スティーブ・ジョブズ、すべての業務を解任。アップルを退社へ…(1985/09 退社)


1980年から1989年

1985年

アルダス(1994 アドビが買収)、Macintosh用DTPアプリケーション「PageMaker」をリリース。


1980年から1989年

1985年

コモドール、16ビットマルチメディアパソコン「AMIGA 1000」を発売。

コモドール「AMIGA 1000」
AMIGA 1000

高いマルチメディア性能

映像制作者などに熱狂的な支持者を生んだ。

AMIGA 1000とアンディ・ウォーホル

コモドールに依頼されAMIGA 1000のペイントツールでデジタルアート作品を制作している。自身もコンピュータアートに興味を持っていたともいわれる。


1980年から1989年

1985年

ジャストシステム、日本語ワープロソフト「一太郎Ver.1」を発売。


1980年から1989年

1985年

インテル、最初の32ビットCPU「Intel 80386」を発表。

※ インテルの32ビットCPUのベースとなる「IA-32」の確定。


1980年から1989年

1985年

TCP/IP上で動作するFTP(ファイル転送プロトコル)の最初の仕様が公開される。


1980年から1989年

1985年

マイクロソフト「Windows 1.0」をリリース。(1986/11 日本語版リリース)

Windows 1.0 Calculator
Windows 1.0 Calculator

新しい操作環境

※ MS-DOSにマルチウインドウ機能(ウインドウは重ねられずタイル状に並べる)やグラフィック機能を追加した操作環境の最初の実現。ダイナミックリンクライブラリの仕組みが導入された。(ファイル(.dll)として見えるようになったのは3.0以降)


1980年から1989年

1985年

シルヴィオ・ミカリとシャフィ・ゴールドワッサー、論文「確率的暗号化」を発表する。ゼロ知識証明の概念を発明。

※ この概念による技術は近年(2020年以降)、急速に実用化が進んでいる。


1980年から1989年

1986年

DEC(1998 コンパックが買収)、初のファイアーウォールを開発。


1980年から1989年

1986年

デビッド・ラメルハート、誤差逆伝播法(ニューラルネットワークにおける学習手法)の再発見。普及を先導する。


1980年から1989年

1987年

アドビシステムズ(現:アドビ)、社内でPostScriptの編集やフォントの制作をするために開発されたツールからMacintosh向けPostScript専用ベクターツール「Illustrator 1.0」をリリース。


1980年から1989年

1987年

シャープ、16ビットホビーパソコン「X68000」を発売。

※ アーケード式ゲームの「グラディウス」をそのまま再現したデモによる高いグラフィックス性能とサウンド性能は当時のパソコン愛好家を十二分に驚かせた。


1980年から1989年

1987年

セイコーエプソン、最初のPC-98互換パソコン「PC-286」シリーズを発表。

※ NECは使用されているBIOSが著作権を侵害しているとして訴訟を起こした。(セイコーエプソンが和解金を支払うことで和解)


1980年から1989年

1987年

ニフティ、パソコン通信サービス「ニフティサーブ(NIFTY-Serve)」を開始。(2006 サービス終了)


1980年から1989年

1987年

IBM、新アーキテクチャの次世代16/32ビットパソコン「Personal System/2」を発表。

※ マウスなどを繋げるPS/2ポートは「Personal System/2」に由来する。新アーキテクチャにより導入された技術(VGAなど)は標準化してゆくが、IBMがパソコン分野における主導権を取り戻すことはなかった。


1980年から1989年

1987年

IBMとマイクロソフトが共同開発した16/32ビットマルチタスクオペレーティングシステム「OS/2 1.0」がリリースされる。新規格パソコン「Personal System/2」に搭載された。

※ その後「OS/2」は、両社の方針の違いによりIBMは「OS/2 Warp」へ、マイクロソフトは「Windows NT」へと分岐してゆくことになった。

※ 「OS/2」はパーソナルコンピュータ分野でのIBMによる本気を伺えるものであるが2002年に開発終了。


1980年から1989年

1987年

パソコン通信会社のコンピュサーブ、画像ファイルフォーマット「GIF」を開発。

※ 1990年、透過GIFとアニメーションGIFがサポートされる。


1980年から1989年

1987年

アップルのビル・アトキンソン、ハイパーテキストを実現したソフトウェア「HyperCard」を開発。

※ Macにバンドルされメディアオーサリングツールとして人気を博した。「Macromedia Director」や「Microsoft PowerPoint」などに影響を与えたと思われる。アップルに復帰したジョブズによって2000年にEOL(End Of Life)となった。


1980年から1989年

1987年

NTT、世界初のISDNサービス「INSネット64」を開始。(2028 サービス終了予定)


1980年から1989年

1987年

ラリー・ウォール、テキスト処理やシステム管理を効率的に行う目的でスクリプト言語「Perl」を開発。


1980年から1989年

1988年

アップル、日本初となるPostScript対応レーザープリンタ「LaserWriter NTX-J」を発売。


1980年から1989年

1988年

ネクストコンピュータ、パーソナルワークステーション「NeXTcube」を発売。

NeXTcube
NeXTcube

OSは「NeXTSTEP」

後世への影響は大きくこのUNIXシステムは「macOS」の源流となり「Widnows 95」もUIのデザインにおいて影響を受けているという。

最初のWebサーバー

「CERN httpd」というサーバーソフトウェアが稼働する世界最初のWebサーバーとなった。また最初のブラウザ及びエディタである「WorldWideWeb」が開発されたマシンでもある。


1980年から1989年

1989年

日本でのDNSの運用が開始される。


1980年から1989年

1989年

世界初の商用ISP「PSINet」が誕生。


1980年から1989年

1989年

欧州原子核機構の技術者であるバーナーズ・リーにより「HTML」の概念が提案される。


1980年から1989年

1989年

インテル、32ビットCPU「Intel 80486」を発表。


1980年から1989年

1989年

日本初の国産ウイルス「Japanese Cristmas」が出現。


1980年から1989年

1989年

東芝、世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売。